犬の気持

ちょっと前に見た「天才!志村どうぶつ園」のお話。
警察犬を目指すおデブのきなこちゃん(ラブ)と見習い訓練士が出ていた。
以前にもどこか別の番組で取り上げていたペアだ。
そのときは、きなこちゃんが障害に激突したりつまずいて転倒する様子をうつし「ドジ犬だけど警察犬を目指してパートナーのお姉さんと奮闘中」みたいな内容だった。
番組制作者は失敗しても努力を続ける姿が見る人に勇気と感動を与えると思ったのだろうか? 体重管理もできず太らされ、何度も転んでは笑われる。きなこよ、道化を演じさせられてなぜ耐えている? きなこちゃんの忍耐強さとけなげさに胸が痛くなる。普通の犬なら「もう嫌ですっ!」と拒否するか、さっさと逃げだしてるはずだ。

今回の番組欄でも「アノ見習警察ドジ犬」と書かれていた。
おデブな体では無理がある高さの障碍を無理矢理跳ばされお腹や足をぶつけ障碍ごとひっくり返り、ブリッジ(ドッグウォーク)から転落し、幅跳びでも跳びきれずつんのめる。いつ骨折や脱臼してもおかしくない状況をスタジオで見て笑うタレントの無神経さに憤りを感じた。

番組では、思うように訓練が進まず担当の女の子が「きなこは警察犬になりたいとは思っていないのではないか。もしも望んでいないなら別れは辛いけどパートナーを解消して別な道を与えてあげるべきなのか」と悩む。相棒を見てその苦痛に全く気づかないようなら、別な道を探した方がいいのはその女の子の方じゃなかろうかと思ったが、私の好きなジョイスさんが出るのでそのまま続きを見ていた。

きなこの本当の気持をきいて欲しいというお願いに、ジョイスさんがきなこと向き合う。最初に出た言葉は「この子は体の痛みを訴えているわ」だった。ジョイスさんに気持が分かってもらえたことで、きなこは普段は1度も見せたこと無い姿勢(横になってお腹をみせ後ろ足を上げていた)をとり、ここが痛いのだと女の子に伝えようとし始めた。
「きなこの訓練がうまくいかないのはあなたのせい。あなたがプレッシャーをかけすぎている」と指摘する。
未熟さゆえに形だけを作ろうとして追いつめていた事を自覚した彼女にジョイスさんの言葉は続く。犬は警察犬になりたいと考えたりしない。そんなことはどうでもいいことで、きなこの気持は「あなたに褒めてもらいたい」ただそれだけなのだと伝える。
その言葉を裏付けるように、きなこは膝に体を預け撫でられながら穏やかな優しい表情で甘えていた。こんなふうに甘えられたことも甘えさせたこともいままで一度もなかった…と見習いの女の子は涙を見せた。
その収録から半年後のビデオには、スマートになったきなこが足をぶつけることなく障碍を跳び、少し自信を持って臭気選別作業をする姿があった。
めでたしめでたしなんだけど…この見習いの子、何がまずいのか自分で問題に気づけなかったとしてももっと早い段階で相談する相手はいなかったのかなと思ったりしました。訓練所の先輩や所長から犬の安全に対する注意やアドバイスも無く放置されていたとしたら、将来が不安かも。


犬の安全に対する配慮が欠けた行為は、身近なところでもよく見かける。
ドッグランにアジリティ擬きの道具が並べてあると「うちの子も出来るかしら」と試したみたくなる気持はわかるのだけど、皆さんいきなり無茶しすぎです(-_-;)
ドッグウォークで足を滑らせリードで首つり状態とか、高いままの障碍にむりやりぶつけられたり。「そのやり方は危ないですよ~」と言っても、そういう飼い主さんに限って笑いながら「××ちゃんたらダメねぇ。やっぱりお前には無理よね~」と自分が愛犬に何をしてるかわかっていません。無知による軽率な行為で、苦痛や恐怖を与えていることに全く気づいていないのです。

私自身も無知からレディやレノンにたくさん迷惑をかけてきています。
先日の花火大会も、レノンのことを考えず久しぶりの花火に浮かれて近くまで行ってしまったけれど、吠えたり暴れたりしないからレノンは平気だと軽く考えていたかもしれません。静かにかたまったまま恐怖を感じていたのでしょう。お尻をくっつけてきた段階で「あっ、失敗したかも…」と感じてはいたけれど、やっぱり影響がでました(-_-;)
昨日の夜、外がピカピカ光って雷が鳴り始めると花火を思い出したのかハウスにこもってしまいました。いままでは雷が間近で鳴ろうが平気でヘソ天で寝ていられたのに…。
全ての大きな音が苦手になるかも。これから雪の季節になれば屋根からの落雪がある、毎日ハウスにこもって過ごすようになっては不憫だ。
極度の音響シャイだったレディのように、私の声も届かないようなパニック状態ではないので、フードを使って慣らせないだろうかと思いつく。雷が遠ざかるまで、音が鳴ったらフードをあげてみた。「ほ~ら、レノちん、お空で美味しい音がしてるよ~♪」と鳴るたび1粒ずつフードを与えていたら食い意地大王なので、期待のまなこでずっと側に張り付いてました。今の段階なら、花火も遠くで音を聞かせながらフードを与えたら「嬉しい音」にかえられるかも。
ジョイスさんのように動物と会話することは出来ないけれど、うっかり傷つけたりしないように、もっといろんなことを気づいてあげられるようになりたいと改めて思いました。
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by berry_n | 2006-09-08 16:34 | レノン | Trackback | Comments(7)
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Commented by Tanuko at 2006-09-08 18:57 x
 その番組を見ていませんが、読むだけで非常に腹が立ってきました。訓練士見習いの子、「警察犬になりたい犬」がいると本気で信じていたんでしょうか? きなこは、未熟な人にゆだねられたおかげで、上達したかもしれない時間を無駄に、いや、苦痛とともに過ごしてしまったのですね。そんな訓練士を放置していた訓練所は、訓練所として失格では?
 そんなきなこをもてはやしたり笑ったりする視聴者。連戦連敗のハルウララが「勇気を与える」という人間の一方的な思いこみでもてはやされ、競走馬としての年齢を過ぎているのに走らされた時に感じたのと同じ違和感を覚えます。
 さつきは競技会に挑戦中ですが、さつき自身は競技会に出たいと思っているはずがありません。練習が苦痛になったり結果がよくないと怒ったりしないよう、十分自戒しなくてはと思っています。
 レノン君は、星さんがついているから、花火恐怖症も克服できるでしょう。いつも愛情たっぷり、楽しく暮らして、レノン君は幸せだと思います。
 長文、失礼しました。
Commented by berry_n at 2006-09-09 22:56
>Tanukoさん
 手に負えなくなったからと保健所に持ち込まれ処分される犬を減らしたいという思いから訓練士を志したという真面目で素直そうな印象の女性でした。最初の担当犬でマスコミの注目をあびてしまい、結果を出さなければと焦っていたのかもしれませんね。気持に余裕がなくて犬の姿が見えなくなっていたのかな…。訓練所の所長は、最初の担当犬は壊すかもしれないことを承知の上で任せ、あえて何も言わず失敗から学ばせようとしていたのでしょうか(でも普通は危険な行為にはストップをかけるとは思うけど)

さつきちゃんはTanukoさんとのアジリティを楽しんでると思いますよ(^-^)
一緒に走れて、たくさん褒めてもらえるもの。
競技会は…緊張してるTanukoさんを置き去りにして好きに走り回って別な意味で楽しんでるかも?(笑)
Commented by meili at 2006-09-10 00:02 x
「アノ見習警察ドジ犬」はちょっとヒドイですね。
というか、最近のマスコミでは、どうかと思うような表現が多いような気がしてたところなので・・・
失敗する場面で笑っていたタレントも、そういう演出をしているスタッフも、です。

わたしもジョイスさんのコーナーは好きなのですが、本当にあんなふうにコミュニケーションが取れたなら、不幸な子がどんなにか救われるだろうと何度も思ったことがあります。
飼主に誉めてもらいたい一心でがんばる子。それは親に誉めてもらいたい、認めてもらいたい一心でがんばる人間の子供も同じような気がします。

Commented by さなだ at 2006-09-10 10:38 x
最近の動物に関わる番組は視聴率獲得のためか先にストーリーをつくりあげ、そんなふうに見える映像をつなぎ合わせて作られていると感じます。 「ザ・カルチャークラッシュ」のなかでジーンが犬を擬人化するのはいい加減やめようと繰り返し訴えています。家族の一員である犬を自分の子供や兄弟のようにかわいがるせいでつい彼らが我々とは違う感性や性質を持った動物であることを忘れてしまいがちです。犬を犬として理解することから始めないと犬の事はいつまでたっても分からないのかもしれませんね。
Commented by berry_n at 2006-09-11 11:52
>meiliさん
 おデブなお腹を擦り足をぶつけながら障碍ごと転倒する犬を、大半の視聴者がお笑い芸人の自虐ネタコントのような感覚で見ていたんじゃないかなと思います。
投稿ビデオのハプニング集なんかでも痛そうなものが多かったりしますよね。人は相手の痛みにどんどん鈍感になっていくようでちょっと怖いです。
最近はレスキュー活動をされてる方達のブログで「どうして? なぜそんなことが出来るの?」とショックを受ける出来事が続けて報告されていてやりきれない思いでいっぱいです。不幸な子を減らすために、自分に何が出来るか考えていこうと思っています。

>さなださん
 犬は人とは違う脳の働きを持っていて、いろんな刺激に対する感覚や情動も違ます。犬は犬だから素晴らしい能力を持ったかけがえのない愛しい存在なのですよね(^-^)
ディズニー的なファンタジーも嫌いではないけれど、生き物に対し正しい理解が広まるような番組が増えて欲しいなと思います。
ずれた愛情表現で犬を苦しめないように、もっといろいろ学んでいきたいと思うこの頃です。
Commented by kimi at 2006-09-11 13:45 x
最近、若い訓練士さんとの出会いが多く、良い意味でも、悪い意味でもなく、「そんなに簡単に訓練士になれるものなのか?」と、単純に疑問を持っていました。犬とのコミュニケーションが、専門の勉強をする前からあるだろうから、一概には言えませんが、訓練士さんもちゃんと選ばなければと思いました。
以前、私もテレビで、麻薬を見つける犬の訓練の番組を見ましたが、若い女の子が担当した2頭は、試験に不合格でした。それは犬のせいではないのに、この犬を不適格とする判断はおかしいのではと思ったのを思い出しました。
犬も人間も、がんばっているのでしょうが、人間によって、その犬の能力を引き出し、私たちのために働いてもらうのだから、責任は重大ですよね。
ちなみに、ハルをお願いした訓練士さんはとても信頼しています。
環境もいいし、シッパもよく知っているし、私が聞く事のできなかった
ハルの思い聞き出してくれればと、他人任せではありますが、期待をしているところです。
Commented by berry_n at 2006-09-12 14:37
>kimiさん
 訓練士さんも考え方や教え方がそのひとそれぞれで違いますから、自分に合う方に巡り会えたのはとても幸運な事だと思います。
ハル君のオビトレに通うのかな? 理解が深まってもっともっと良い関係になれるようkimiさん頑張れ~。機会があるようなら、他のオーナーさんの訓練風景を見学してみるといいかも。プロが犬を誘導するときと、飼い主のときの動きやタイミングの違いが見えてくるかと思います。
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愛犬レノンと日々の出来事


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