『走ろうぜ、マージ』 馳 星周

図書館の新着本のコーナーで、バーニーズの表紙に引きつけられ何となく借りた。帰宅し読み始めてすぐ 今読むのは痛すぎるな、やめておけばよかったかも… と後悔。

ほのぼのとした愛犬との日々をつづったエッセイか何かだろうと思って手にしたのだけれど、実際は癌に冒された愛犬が旅立つ日までを記した闘病日記というとてもヘビーな内容だった。
著者は愛犬のために残された日々を軽井沢の別荘を借りて過ごす。自然の中で一時は回復し元気に走るのだが、やがて支えてあげても用を足すこともできない状態になってゆく。それでも外の空気を吸わせてあげたくて重い大型犬をラジオフライヤーにのせ、散歩をする。
排泄が困難になり溜まったおしっこを自力で出すこともできず苦しむマージ。おしっこをしてくれること、食べてくれること、元気な犬なら当たり前の事をしてくれるだけでどれだけ嬉しいか老犬や病犬の世話をしたことのある人なら著者の気持ちとシンクロして胸がつまるだろう。

いろんな意味でここまでできる飼い主はあまりいないと思う。でも、そばについてできるだけのことを納得いくまでしてあげられるというのは幸せなのかもしれない。してあげたくてもできない辛さを抱えてる人の方がきっとはるかに多いのだろうから…。


現在大型犬と暮らしているには老後の世話や介助の方法などでいろいろ参考になる部分があると思います。でも、一番読んで欲しいのはこれから犬を飼おうと思っている人かな。コロコロしてて可愛いからと安易に仔犬を迎える前に、命に対して責任を持つことがどれだけ重いことなのかに気づくのではないかと思います。
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by berry_n | 2006-06-27 11:24 | その他 | Trackback | Comments(7)
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Commented by Tanuko at 2006-06-28 10:46 x
 スキッパーキーを選んだ理由の一つが、「老犬になった時一人でも介護できる大きさ」でした。しかし、犬に必要な世話は、大きさに関係ありませんね。小型犬の飼い主にも参考になるんだろうけど、一ページ目からうるうるしちゃって、読み通せないような気がします。
Commented by sonoratte at 2006-06-28 12:50
馳さんのトークをTVで見たことがあります。
小説のイメージとずいぶん違って、真剣に犬の話をされている姿が印象的でした。
本になっているのですね。つらいかもしれないけれど、読んでみたいです。
Commented by berry_n at 2006-06-28 13:42
>Tanukoさん
 私も犬種選びの条件に「何かあったときに抱いて走れるサイズと体重」がありました。シェルティのレディは10キロほどでしたが、抱いて病院まで行くのは大変でした。なので5キロ程度で活発で愉快な犬種のスキッパーキにしました。レノちんなら片手で抱えてダッシュもOKさっ。
最初のページにのってるバーニーズについてのスイスの言葉「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」に、私もレノンがいつか老犬になりその時期がきたら神様からの贈り物をそれまで以上に大切にしていきたいなと思います。

>ソノラさん
馳さんの本を読んだのはこれが初めてなんです。著者の風貌や過去の作品のタイトルから何となく苦手かも~と避けていました。
この人はバーニーズという犬が本当に好きなのでしょうね。犬種の背負ったリスクを承知でまた迎えたいと言う。きっと体力の続く限り傍らにはバーニーズが寄り添っているのだろうなぁ。
Commented by ゆきき at 2006-06-28 20:45 x
アニマルプラネットの「ブリーディングのすべて」ってシリーズ番組でバーニーズ編を最近見たばかりです。寿命は6年から8年って言っていて、そうするとキヨハラとおない歳ぐらいの近所のバーニーズはあとたったの5年ぐらい?って思って涙ぐみました。大型犬の寿命ってほんと短いのですね。悲しいなあ。

その後、長寿といわれるシッパだって20年はそうそう生きないんだよなあと思ってさらに涙しました。
で、その後考えたのがまさにこのこと↓。
>いろんな意味でここまでできる飼い主はあまりいないと思う。でも、そば
>についてできるだけのことを納得いくまでしてあげられるというのは幸せ
>なのかもしれない。してあげたくてもできない辛さを抱えてる人の方が
>きっとはるかに多いのだろうから…。

キヨハラの看護のために最後のいくばくかの期間だけでもいっしょにいてあげることはできないんだろうなあ、私。何にもできなくてもいいから、いっしょにいてあげたいけど。
Commented by berry_n at 2006-06-29 11:37
>ゆききさん
 バーニーズは先天的な疾患により、他の大型犬より短命な個体が多いようです。本当に繁殖に適した個体なのかを確かめて代を重ねていかないと悲しみの連鎖は止まらないのでしょう。
シッパは丈夫で長寿な犬種と言われてますが、レノン(片睾丸・欠歯・膝が甘い)を見てると日本のシッパの将来がちょっと不安になったりします。
レノンの母親は8回は出産(レノン達がG胎で弟のサンゴ君がH胎だから)してると思うので兄弟がたくさんいるはずなのですよね。最初に生まれた10歳ぐらいになってる子達がみんな元気でいるのか気になります。

レディは私が看取ってやることができませんでした。両親が傍についていてくれたけど、私を待って呼んでいただろうかと思うと今でも涙がとまらなくなります。だからレノンにはついていてあげたいと強く願っています。
Commented by るるど at 2006-06-29 14:01 x
この手の本、さけてます。あらすじ読んだだけでウルウルきちゃって。テレビの犬ものとか映画とかも絶対見ないし。(大泣きするから)
犬を心残りなく、見送って上げられる人ってないような気がします。後で必ず「ああすればよかった・・・」って思うんじゃないかな。だから、「今度こそ」って飼うのかもしれない。
シェパも、そろそろ・・・なんて、そのための保険にフィオを飼ったようなもので。(動機が不純ですな)
愛情ってもともとあったものが2つに分かれるのではなく、もう一つ同じ愛情が増えるわけで。ということは、シェパはシェパ。シェパを亡くした穴は、どの犬も埋められないわけで。
なんだか北の国から・・・みたいになっているワケで・・・。(笑)
シェパがああいう体で生まれてきているから、他の犬に(飼い主に)そんな思いをさせたくない。だからこそ、安易な犬の繁殖には反対です。ブログにも繁殖について書きたいと、何度もチャレンジしているのですが、どうしても「飼い主の恨み節」になってしまって。繁殖は産ませて里親を見つけるまでで終わりではありません。その後々まで考えた繁殖が大切だと思うのです。
Commented by berry_n at 2006-06-30 10:52
>るるどさん
 シェパちゃん調子が良くなってるようでよかったです。食べ物が体に与える影響力って大きいのですね。レノちんも少しずつ手作り部分を増やしてます。
繁殖について文章にするのはいろいろ難しいですよね。でもるるどさんに書いて欲しいな。感情的な部分が多少出ちゃってもいいんじゃないでしょうか、生の気持は読む人に伝わると思います。
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愛犬レノンと日々の出来事


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